BABY BABY 「あー!疲れたぁ!」 息苦しいくらいに圧迫されていた体が解放されて、少しそれが寂しいと思った。 体が急速に冷めていく気がして、すぐに熱が欲しくなる。 横で大の字で寝転んでいる舞美の腕に手を伸ばしてそっと触れたら顔だけこっちに向けて。 さっきまであんな事してたと思えないような屈託のない無邪気な笑顔を私に向けて笑う。 自分だけまだ息が乱れていて、少し悔しい気持ちになった。 だけど、触れた腕は同じくらいに、熱い。 すらりと伸びた手足は細くて折れそうなのに、結構力強くって。 だからなのか、抱きしめられた時の包容力がすごくって。 それがいつからこんなに心地よくて、そして欲しくなってしまっていたのかわからない。 ただ、横で大の字で寝転んで幸せそうに笑っている舞美が欲しい、だけで・・・。 ガバっと起き上がる。 舞美が驚いて私を見る。 細いカラダの上に跨った。 「え?まぁ??どうした・・・」 続きは口で塞いだ。 私だって結構力ある方だし。 ・・・とかそういう問題じゃないけど。 いつもしてくれてるように、舞美のカラダを包み込む。 細いカラダは簡単に私の中に収まった。 さっきまで無邪気に笑っていた顔に急に色がついて、そんな姿を見ていたらカラダの奥から熱が出てくる。 こういうのを欲情って言うのかな・・・なんてぼんやり考えていたら、いつの間にか自分のカラダが舞美の下にあって・・・。 さっき出て来た熱が自然にカラダを揺らして声を漏らして・・・。 どうしていいのかわからなくなって、ぎゅっと舞美のカラダを力任せに抱きしめた。 「し足りないなら言ってくれたらいいのに。」 にやりと笑う表情があまりにも憎くって、だけど嬉しいと思う気持ちが悔しい。 だけどゆっくりと近づいてきた顔は、色づいていてそれでいて優しい。 待ちきれなくて、首に腕を回して引き寄せた。 がっしりと抱いてくれる腕が好きだ。なんて言わないけど。 こんな風に溺れていくのは危険でだからこそ気持ちがよくて。 この人に振り回されてもいいかなと思ってしまう。 不器用でそれでいて強さを持ったその腕で、もっともっと深くまで・・・。 END |
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