Lover Soul

--ねぇ、触れてもいい?

そんな私の心を見透かしたように、少し諦めた笑いで、それでも優しく私に手を差し伸べたあなたを。

思い切り、抱きしめた。

あなたのにおいとか体温とかぬくもりとか、不意にひとりじめしたくなって、もっと力が入ってそれでも。

思い切り・・・思い切り、抱きしめた。



目が覚めたら、まだ外は暗かった。
布団から出ていた腕がひんやりと冷たくて、慌てて布団の中に入れた。
少しずつ体温が戻っていく腕を、少しだけ伸ばした。
さっきまで隣にいたと思っていたあなたはやっぱりいない。

時々、こんな夢を見て、目が覚めて、あなたがいなくて・・・そんな繰り返し。

こんな夢を見るワタシはおかしいだろうか?
うん、おかしいね。
特に最近は、抱きしめるだけじゃ足りないような気持ちさえ持っていて・・・。

相当ヤバいんじゃない?

でも、ヤバくなんかないって、思ってる。
というか、無意識の中でそう思おうとしてるのかも。

無理矢理目を閉じたら、案外すんなり眠りにつけた。
あの夢は、見なかった。



これを恋と言うんだったら、多分ずっと。
でもこれは恋とは言わない、そう思ってる。
人間愛?そんな大袈裟なモノでもないけれど。

愛のカタチはひとつで決まっているわけじゃないから。
これにどんな名前も付けられない。

ただひとつだけ、ワタシはあなたをきっと誰よりも想ってる。

きっと、ずっと、これからも。



END