少しだけ・・・ 思えば今日はこんな風に触れ合ってなかったなぁ。
ぎゅうって抱きしめたら、舞美ちゃんのにおいがしてすごく安心する。 顔を見合わせたら、舞美ちゃんが目を細めて微笑む。 楽屋だから、なかなかふたりきりになるチャンスもないし、時間もあるし・・・これが精一杯のイチャイチャかもしれないけど。 それでも心がほんわかするくらいに嬉しい。 「愛理ぃ。」
舞美ちゃんも同じ気持ちなのかな。
甘えるように私の首筋に顔をこすりつけて、ぎゅうぎゅう抱きしめる。 短くなった髪を撫でたら、嬉しいのかもっと抱きしめられた。 それがなんだかすごくかわいい。 「そろそろみんな戻ってくるかな。」
寂しいけど、あんまりこうしてはいられない。
だけど、体を離そうとしたら、舞美ちゃんは余計にぎゅうって抱きしめてきた。 「舞美ちゃん?」
「なんか、ダメかも。」 「え?」 舞美ちゃんの手が、私の腰のあたりをもぞもぞ。
「ちょ、舞美ちゃんっ。」
「少しだけ・・・。」 少し・・・でお互い止まれるはずなどない、のに。
これ以上されたら、カラダの熱が上がっちゃう、のに。 耳元で熱い吐息が聞こえる。
「愛理。好き。」
私は肩を押して無理矢理舞美ちゃんを引き剥がす。
急に引き剥がされて、寂しそうに無防備な姿で立ち尽くしてる舞美ちゃんに苦笑いしながら、楽屋の鍵を閉めた。 「少しだけ、だからね。」
そう言うと、舞美ちゃんはわかりやすいくらい嬉しそうに微笑んで。
私は舞美ちゃんの腕の中に飛び込んだ。 END |
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